彼女たち —Female Photographers Now—
山内宏泰
1990年代をこえて
女の子写真/ガーリーフォト
ヒロミックス、長島有里枝、蜷川実花、中野愛子、宮下マキ、原美樹子
女子からの共感「そうそう!わたしにも世界はこんな感じに見えてるよ」
日頃から抱いている心情にぴったりのものがそこに写っている
・何が従来のもとと異なっていたのか?
「距離の取り方」
いきなり万円の笑みで近寄られて情熱的にハグされてしまった感じ
1990年代を代表する「女の子写真」ブームが過ぎても撮り続ける
木村伊兵衛写真賞(写真の芥川賞)2001年はヒロミックス、長島有里枝、蜷川実花、の3者同時受賞。
・ 蜷川実花
仕事の写真も作品になっていく。
初の写真集、できるだけコンパクトで手に取りやすい本にしたい
「やっぱりちゃんと売れてほしい。そうでないと意味がない気がして」
「やっぱりちゃんと売れてほしい。そうでないと意味がない気がして」
いちばん手軽に表現が出来るツールがカメラ
「わたし、すごくせっかちだから写真の持っているスピード感がしっくり来るんですよ。使っているのはデジカメじゃないからその場ではみられないけれど、撮った日の夜か次の日くらいにはパパッと成果がみられるでしょう。そこがいい。あと、写真ってかなり自分の感情と直結していて、いさぎよくていいなとも思います。同じ景色、被写体を撮ったとしてもカメラを持つ人によって、写真はびっくりするくらい変わってくる。その人がもともと持っている性格やsのときの気持ちが表れてしまいます。場の空気みたいなことも写る。全部さらけ出すことだから、それがまたおもしろいところだと思う」
アートとのあわいに
写真が“アート”ジャンルの一つとして見なされるようになったのは日本では1980年代から。本格的には1990年代から。
日本の先駆者は森村泰昌。セルフポートレートを名画にあてこむ。
1988年:川崎市市民ミュージアム、翌年に横浜美術館。
1990年代:東京都写真美術館。タカ・イシイギャラリー、シュウゴアーツ・小山登美男ギャラリー、スカイザバスハウスなど。
雑誌 déjà-vu 2000年 Phat Photo
海外では少し先駆けている。1950〜60年代から写真がアートに。アンディウォーホルは写真を使ってアートをつくった。1980年ダイアkらは写真が一つのジャンルとして認識されるようになった。シンディシャーマン、ドイツのベッヒャー夫妻など
やなぎみわ
「My grandmotherシリーズ」
女性への入念なインタビューで、半生期後のおばあちゃん像を撮る。なりすまし、メイク、CGも使う。この世には未だ何も存在していないシチュエーションを、映像化しようとする作品。
徹底した作り込み、出てくる老女はファンタジー。
醜を見せない「ムシのいい作品」
醜を見せない「ムシのいい作品」
フォトグラファーではなく“美術作家”
見たい光景を生み出す。そのためなら、ありとあらゆる技術や手法を総動員する。実写のままの方が価値があるとか何とかそんなことはとくに思ってもいない。
「日常」に立ち向かう彼女たち
2000年代、女性写真家の急増
梅佳代「うめめ」日常のユーモラスさ
在本彌生 世界中の場所を等分な視線でみる
今岡昌子 報道写真的に、日常の中で関心のある社会問題を美しく撮る
長沼敦子 デジカメ
…などなど、多種多様。一様にして共通するのは「日常」に向き合う姿勢
普通の日常へとカメラを構える彼女たちが、新しい発見への意欲がないかというとそうではない。ある意味、真剣にいま撮るべきものにまっすぐに目を向けるのであれば、変哲のない日常へともどっていく
うめめ 笑いではなく「あっ」という瞬間のハンター
在本彌生 もう二度と会わないかも、そんな不安を写真におさめる。
今岡昌子 遠い世界の、本当に知りたいこと
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